投稿

10月, 2023の投稿を表示しています

大殺山 袖沢南沢小屋場沢〜本沢

イメージ
袖沢流域は比較的親しまれている沢が多くある印象を受けるが、南沢源流域はそれほど賑わいを見せない。南沢一帯はは噴出岩地帯で壮大な岩壁を抱えており、袖沢流域の他の沢とは様相がまるで違うので興味深い。さらには、源流域の源頭部にはナメがひたすら続くという噂も耳にする。壮大な岩壁とナメの楽園、その先にある大殺山とは一体どんな山なのだろうか。 本沢を見送り小屋場沢に入る。4m滝を登りナメ床を少し歩くと、傾斜が緩めの20m滝が落ちる。スタンスは豊富でスイスイ登れる。続いて2段20m滝を登ると、迫力のある柱状節理の30m大滝が待ち構えている。左壁からも登れそうであるが装備が不十分なので右岸のブッシュより巻き上がる。巻いた先から渓相が一変する。迫り上がった岩壁は姿を潜め、ゆるいブナ林に包まれ、明るいナメ床がひたすら続く。どうやらナメの噂は本当だったみたいだ。秋のブナ林にやんわり差し込む光が気持ち良い。二俣を左へ入り藪を少々漕いで大殺山に登る。山頂はその恐ろしい名前とは裏腹に藪に覆われ静かなるピークである。山頂から稜線を少し歩いていると、冠雪した平ヶ岳、越後駒、荒沢岳が見える。秋のヤブコギは爽やかでサイコーだ。本沢の源頭部からはナメとゴーロを繰り返し、時折小滝を降りていく。本沢は小屋場沢のように長く続くナメは無く所々にナメ床が現れる。滝をいくつか降りていくと、柱状節理と岩壁の壮大な景色が目の前に広がり本沢にかかる50m大滝の落口に着く。持ち合わせのロープが短く降りれるか不安がよぎったが、左岸トラバースの絶妙な高巻きルートを見出だして、うまい具合に下降することができた。後は単調な歩きで取水堤に戻る。 出合からすぐ連瀑帯 柱状節理30m大滝 ナメ ナメ 荒沢岳と越後駒ヶ岳 ブナ 本沢のナメ 本沢の美瀑 50m大滝落口より左岸トラバース 50m大滝

白戸山 袖沢南沢二ノ沢〜一ノ沢

イメージ
南会津の白戸山と聞いてピンとくる人は相当な南会津フリークに違いない。登山大系2には「白戸山へと突きあげる三本の小沢があり、(中略)かなりの急傾斜でナメ滝が続き、おもしろ味のある沢である」と白戸山の沢に関する興味をひく記述がある。 袖沢林道を歩き南沢へ歩く。一ノ沢を見送り次に南沢へ流入する二ノ沢に入る。小滝を2つの登ると正面にはどっしりスラブ壁が構え、右からはナメ状の大滝が流れ落ちる。登ってみると傾斜は意外と緩く、スタンスも豊富でフリクションも良好なのでグングンと登れる。上部で傾斜が一度緩み平坦地を少し歩くと、奥に見事な柱状節理の30m滝がかかっている。シャワークライミングで快適に登れそうであるが水温が低く断念した。左壁のブッシュ混じりの岩壁から巻き上がるが、岩はやや脆くちょっぴり嫌らしいスラブがあるので気を付けたい。滝上に上がると、ゆるやかなナメ床が伸びていた。下部との渓相のギャップに思わず萌える。ここからはナメのハイウェイが山頂直下までずっと続き、ナメナメの渓相にメロメロになる。穏やかな秋のブナ林に包まれ気分は最高。沢中には意外なところに先人の痕跡が残っており驚いた。白戸山山頂からは梵天岳と丸山岳がよく見えた。 下降は一ノ沢へとる。こちらもひたすらナメが続く。お腹いっぱいナメを味わうと、一ノ沢のナメ状大滝の上に出た。下降は難しいかと思いきや、ロープを使わずともズリズリ慎重に降りることができるし、不安があればブッシュから降りることもできる。一ノ沢のスラブも実に見事である。機会を見て登りたいものだ。滝の基部からの下降は小滝がいくつか出てくるが、とりわけ問題になるような滝はない。 ナメ状大滝 ナメ状大滝中間部 ナメ状大滝上部 柱状節理30m滝 水線も登れるだろう 左壁に取り付く ナメ ナメナメ ナメナメナメ 丸山岳と梵天岳 ナメナメナメナメ ナメナメナメナメナメ 一ノ沢のスラブ 一ノ沢下部

佐梨川 雪山沢 右ルンゼ

イメージ
佐梨川を構成する各沢の中でも、郡界尾根に突きあげる金山沢、雪山沢、桑ノ木沢は越後を代表する屈指の沢だ。そうたらしめているのは「佐梨川奥壁」の存在である。中でも代表的な金山沢奥壁は圧倒的なスラブ壁を有し、堂々たる風格だ。雪山沢の奥壁はというと、そんな金山沢奥壁の陰に隠れて日の当たらない存在である。実際に雪山沢を遡行して奥壁を登ったという話はあまり聞かない。果たして雪山沢奥壁は登れるのだろうか。不安を胸に「サナシ」へ向かう。 駒の湯からしばらく林道を歩き、桑ノ木沢出合から沢床に降りる。すぐにゴルジュとなり小滝が続くがとりわけ困難はない。金山沢と雪山沢の二俣に差し掛かると、ゴルジュは狭まり側壁が立ってくる。雪山沢に入るとすぐに三階の滝に阻まれる。左壁から登れそうに見えるが時間がかかりそうなので、左岸のヌメるルンゼを2ピッチ登り灌木帯まで上がる。藪をトラバースして尾根上を下り三階の滝上部に降り立つ。 再びゴルジュ帯に突入し小滝が連続するがここも概ね苦労なく登れる。やがて沢がゆるくなり奥にロータリーピナクルを望むと、ゴルジュの裂け目に2段15mの滝がかかる。左壁から登り滝を越えるとピナクル直下に出る。8m滝を登ると、美しいナメ状30m大滝を迎える。傾斜が少し強くなる中段からロープを出して登る。左のクラックから支点がとれ、雪山沢の中で最も爽快な滝登りが楽しめるだろう。続く15mCS滝は見た目以上になかなか手強い。登りやすそうな凹角から取り付くが、スタンスが乏しく、さらにフリクションの無さに苦労した。少し登り落口までトラバースを試みるも悪くて諦める。ブッシュに突っ込み直上するとピナクルから伸びる尾根上に出た。2畳程度ではあるが、そこそこフラットな幕営地がある。尾根を少し歩くと水が取れるのでなかなか快適だ。尾根から望む奥壁は垂涎ものである。 沢床に復帰し、三連瀑を越えると沢は再びゆるやかになる。崩壊進む雪渓が頻繁に谷底に轟音を響かせる。門のような巨大な雪渓を潜り抜けると、いよいよ奥壁基部に着く。奥壁は右ルンゼ、中央ルンゼ、左ルンゼと3つあるらしいが、どれがどれだか分からない。最も美しく登高意欲を掻き立てられたルンゼに入ることにした。結果としてこれが右ルンゼであった。目指す右ルンゼの取付きにはシュルントがあり、最下部を登るのは難しい。左ルンゼの雪渓が繋がっている岩壁を登りトラバースを...

鬼が面山 只見沢 角ルンゼ

イメージ
オニガツラには「マンモス尾根」「ニードルルンゼ」「角ルンゼ」と、男心がくすぐられる名前がついたルートがいくつか存在する。角ルンゼは、鬼ノ角のピークに陰険に切れ込み、遠くからもその存在感を放っている。 只見沢を遡行して乗越沢の大滝手前まで行く。角ルンゼの取り付きは分かり辛いが、乗越沢大滝手前の側壁っぽいのが角ルンゼの入口だ。出だしはやや傾斜を感じるがホールドは豊富で登りやすい。念の為ロープを出し2ピッチ登ると平坦になる。少し歩くと6m程の岩壁にぶつかる。ここはブッシュを交えて登る。登り切った所に腐りきった古のハーケンが1本あった。ルート内で唯一見つけた残置物である。赤みを帯びたスッキリしない枯滝を藪を掴み登る。藪から抜け視界が開けてくると、末広がりのスラブが展開される。藪茂るスラブの斜度は緩くとも、両側は岩壁がせり上がり物々しい雰囲気だ。下部の緩傾斜スラブを、登りやすそうな左側から登り始める。スラブが狭まってくる中間部に差し掛かり、段差を越える部分から傾斜が強くなってきたのロープを出す。Ⅳ級を超えない登りではあるが、リスは殆ど無く中間支点はあまり期待できないので緊張感がある。2ピッチ登るとスラブは藪に消えたのでロープをしまう。藪を掴みルンゼ状を素直に詰める。稜線直下の垂直藪漕ぎも厳しい想定でロープを出したが、うまい具合に登路が繋がっていたので苦労せず稜線に抜けることができた。夕刻迫る中、来し方を振り返ると田子倉湖が西日に照らされ輝いていた。 中央の鋭い岩峰が鬼ノ角 角ルンゼ取り付き 階段状の下部 突き当り6m程の岩壁 藪っぽい中間部 角ルンゼのスラブ 支点は取りづらい 部分的に傾斜が強い 核心を越えて稜線直下の藪へ ファイントラック田子倉湖