戸隠 西岳P3稜
戸隠連峰の岩壁はアルプスの岩壁とは一線を画す異様さをもって屹立している。冬期西岳東面の痩せ尾根は魅惑のキノコ雪を連ね、手応えのある雪稜を登山者に提供する。P3稜は頂上に峻険に突き上げており、P5稜から見れば手招きをするように誘惑してくる。 品沢高原より樹林帯をゆるゆる登り尾根に出る。しばらく登るとナマズ岩壁だ。右から巻き登り尾根を少し歩くとマッコウクジラの岩壁が現れる。左壁から登る。出だしがうす被りでワンポイントパワーを使うが上部は特段問題ない。抜け口は小ぶりなキノコに遮られる。尾根に乗り上げて現れる小ピークは左のブッシュから越える。正面にはいかにも悪そうな岩壁が迫り上がりプレッシャーを放つ。リッジから岩壁基部に行くと、特殊ボルトが姿を見せる。岩壁は大小の礫が埋まったリスのほとんどない凝灰岩で構成されており、支点はほとんどとれない。特殊ボルトに支点を求めるも、そこから上部はまるで支点が取れなさそうで踏ん切りがつかない。礫と礫の間にハッタリのナッツを決めて、心のプロテクションを取ったならば、雪を丹念に払いながら気合い十分、丁寧にアックスをひっかけながら登る。リッジに乗り上げ、灌木に支点が取れて胸を撫で下ろす。上部岩壁にも施工されたボルトが見えたが、登れる実力も気概もない。頼りない礫つかんでトラバースし急雪壁を登る。木登り少々から雪壁をグイグイ登り、稜線直下の小雪庇を越えると山頂だ。