双耳峰といえばどこの山を思い浮かべるだろうか。鹿島槍ヶ岳や谷川岳、燧ヶ岳などの一級品の山々だろうか。もしくは、二岐山や筑波山のような里に近い山だろうか。海谷の阿彌陀山や赤沢岳西尾根Ⅲ峰などと答えたならば、偏屈な登山者に違いない。いずれにせよ双耳峰とは、そのシルエットがキュートでチャーミングな存在である。
さて、只見町にあるシンボリックな山といえば蒲生岳であろう。町からよく見える鋭峰で「会津のマッターホルン」などと呼ばれ、その人気度が窺える。では苧巻岳はどうだろうか。苧巻岳もまた、小さいながらも町からよく見える双耳峰で、目にする機会が少なくないはずだ。4歳町民は「ネコ山」、元歯科業界町民は「ムシバ山」、ある町民はゴリラの横顔に見えることから「ゴリラ山」、はたまた私は「ラクダのコブ」。様々な愛称で呼ばれている苧巻岳は、実は只見町における隠れ人気里山なのかもしれない。
苧巻岳の北東に伸びる尾根に国道252から適当にとりつく。尾根に上がると、小戸沢や只見の街並みがよく見える。キタゴヨウの細めの尾根は小さなギャップはあるものの快適に登れる。南東から伸びてくる尾根との合流点から少し歩くと、一つ目のコブの基部につく。割合、急傾斜の藪岩でスッキリしない風貌をしている。しかし私好みの味付けだ。少し上の木からは古のトラロープが垂れている。こんなところ夏にフラりと登るのは御免だ。ロープを結び登るとしよう。ブッシュが豊富でプロテクションには困らない。木登り1Pの後、ひと登りで一つ目のコブに乗り上げる。あとは冴えない雪稜を味わいながら登っていくと苧巻岳山頂だ。偏屈な登山者の皆様も、鹿島槍や谷川の一級品の山とはひと味もふた味も、あるいは料理そのものが違う只見の双耳峰を味わってみるのはいかがだろうか。
 |
| 柴倉山と只見ダム |
 |
| 北東尾根 |
 |
| 1峰 |
 |
| 木登り |
 |
| キタゴヨウ林 |
 |
| 1峰上部 |
 |
| 冴えない雪稜 |
 |
| 鞍部 |
 |
| 2峰 |
 |
| ブッシュ |
コメント
コメントを投稿