大底川 岩宿沢
世の中の「フリーパス」の中で、沢屋が最も手にしたいフリーパスといえば「川内山塊のフリーパス」である。入手方法の記載がある登山大系によると、岩宿沢を完登することで川内山塊のフリーパスが入手できるようである。
チャレンジランド杉川から川内の沢登りは始まる。盛夏の川内では、山蛭と虻に苦しめらる。夏の風物詩のようなもので味わい深いものだが、なぜだか少ない。快適であるものの心のどこかでは寂しい気持ちになるのはマゾヒズムが過ぎるだろうか。大底川の素晴らしい本流遡行を少しで岩宿沢出合である。1m滝のショボすぎる貧相な出合で、水量も少なく気持ちが上がらない。岩宿沢に入ってもゴルジュ地形ではあるものの凄味はなく、外したかとさえ思う程である。滝らしい滝もなくCSのゴルジュを越えると、ようやく20m弱の滝が現れる。フリクションよく快適に登ると沢は再びゴルジュとなる。小滝をいくつか越えていくと、3つのCSが挟まるゴルジュとなる。奥に進むと直登不能なCS8m滝に阻まれる。右岸をバランシーなトラバースで突破し、続くヌメヌメCS8m滝をズルズルと登る。すると奥に再び直登不能な8mCS滝に阻まれる。こちらも右岸のバンドをやや悪いトラバースで突破する。ゴルジュ帯を抜けると、空間が広がり奥には美麗な双子の大滝が姿を現す。左岸のルンゼから巻き上がっていくと、滝状にはなだらかなブナ林が待っていた。
岩宿沢はスパイシー密度の濃い遡行が楽しめる。たしかに「川内山塊のフリーパス」を手に入れるに相応しい渓かもしれない。しかし私はまだフリーパスを手にしてはいない。なぜならば、赤花沢を卒業していないからである。大系には「赤花沢を卒業したら、次に解説する岩宿沢を完登すれば、技術的には川内山塊のフリーパスを手中にしたも同然である。」とある。折を見て赤花沢を卒業するとしよう。また盛夏の頃に。
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| 大底川の本流遡行 |
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| 岩宿沢の貧相な出合 |
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| 下部ゴルジュ |
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| 20m滝 |
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| 再びゴルジュ |
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| ゴルジュ内の小滝 |
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| ゴルジュ内に3つのチョックストーン |
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| CS8m滝 |
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| ヌメヌメCS8m滝 |
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| 奥のCS8m滝 |
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| 双子の大滝 |












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