小戸沢 東の沢 横倉沢

小戸沢を周回遡行するのならば、西の沢と東の沢のどっち周りにしようか。東の沢から遡行をすると、西ノ沢へ下降をする際に長須が玉からそそろ沢へ降りるのが最も素直なルート取りであり、高倉山へ登るのは合理的とはいえない。西の沢から遡行して高倉沢を登れば必然と高倉山に導かれて、東ノ沢への下降までの長須が玉までの藪漕ぎに違和感を抱かず自然なラインのように見えてくる。むしろヤブコギが遡行終了を飾るデザートのようなもので、大いに意味が有るようにさえ思えてくる。

と、もっともらしい事を述べたが実際には、西の沢を遡行し高倉山の山頂で南壁を眺めた所までは調子がよかったものの、あまりの暑さに担いだ水を瞬く間に消化してしまい、長須が玉までのシャクナゲを交えた藪に体力と気力が相当に削られて疲弊しきったのである。本来は藪薄めでそこまで苦労は無いと思われる。長須が玉から沢型に入るまでの藪の隙間からは会津朝日岳北面のスラブ群がチラリと見える。横倉沢にに入ると翠の美しい釜を抱えた5m以下の滝が続く。二股を過ぎても滝は断続的に現れ、花崗岩にかかる滝は小ぶりながらも見惚れる渓相だ。しばらく平坦な河原となった後に、3m幅の見栄えの良いゴルジュを迎える。プカプカ流れ降りていくつか滝を越えると、河原歩きが出合いまでダラダラ長々と続く。

高倉山より



会津朝日岳北面のスラブ群



東の沢は源頭付近まで花崗岩質


上部連瀑帯






滝はどれも小ぶり





深翠の釜



平凡な川原



中間部の小滝郡



美ナメ





ゴルジュ

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