南会津において、主脈の影に隠れ目立たない山毛欅沢山から城郭朝日山の支脈は、地味で残念な立ち位置だ。積雪のある時期に偶に歩かれるようだが、無雪期は登山道も無く、箔が付く沢やルートも無いので登られることはあまり無い。だからといって退屈でつまらないという訳ではきっと無い。閑かなブナの森の中で過ごす一時は十分に贅沢なものだし、藪漕ぎのみで人跡稀なる山頂に登れば十分に山登りの楽しさを味わえる、というのは登山大系の受け売りはであるが心からそう思う。
黒谷川の林道より城郭沢本流に入る。かつては城郭沢にも林道が伸びていたようだが現在は廃道となっている。堰堤を巻くと、予想外になかなか見栄えの良いゴルジュが出てきた。ゴルジュ内には小滝が2つ懸かっており、1つ目は簡単に登れる。2つ目は釜が深いので軽い泳ぎを強いられるがこの時期はかなりこたえる。滝を越えると東の沢と本流の二股となる。これ以降は目立った滝もほとんど無く、まったりした遡行が楽しめる。城郭朝日山の山頂までの藪漕ぎは、晩秋ともなると大した苦労はない。生憎の天候で、山頂付近で雪がチラついたので、東面の調査はお預けになった。東の沢の下降も難所は無い。3m前後の小滝を越え8m滝を懸垂下降で降りたが、巻き降りる事も可能だろう。川原をしばらく歩けば二股に戻る。
ところで、城郭朝日山の興味深い支流といえば桧沢や朝日沢が挙げられる。上部は急峻で岩壁もあるが詳細は不明と記載がある。この岩壁は次回是非とも調査したいものだ。
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晩秋の南会津
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濡れまいと必死
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ゴルジュ
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凍える
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寒さで戦意喪失
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平凡な渓相が続く
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彩られるブナ林
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大きな滝は無い
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城郭朝日山山頂
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ブナの落葉
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東の沢
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8m滝 |
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