「み・な・み・あ・い・ず」と声に出してみただけでこのエリアに夢中になってしまうような"たいていの山好き"ならば、南会津の秘境岩峰「猿倉山南壁」に行きつくのは自然の流れであろう。村杉半島は白戸川と只見川を隔てた山地で田子倉湖により隔絶されており、南会津フリーク達の憧憬の地である。
まずは小戸沢林道を歩き小戸沢西の沢を遡行し、裸沢山の南の鞍部を目指し支流を遡行する。スッキリした沢では無いものの、藪は比較的薄く遡行しやすい。鞍部はブナが立ち並ぶ。沢型を降りてゆくと、正面には猿倉山が望め気分が高まる。田子倉湖に降り立ちパックラフトを膨らませ出廷する。パドリングはやや難しいが暫く漕ぐと慣れてきた。白戸川のバックウォーターで大量の流木に阻まれるが、慎重に漕いで白戸川に降り立つ。ここが憧れの白戸川か。雪解け水で水量は多く、水温はやや低い。雪渓がたっぷり残る抱き返りを見送り赤柴沢に入る。赤柴沢は随所に残る雪渓を、潜ったり乗り上げたりしながら進む。小ぶりな滝をいくつか越えて歩くと、やがて二俣手前で沢床は雪渓に埋まる。雪渓上をズンズン進んで右俣に入る。暫く歩くと雪渓の端から20mほどの滝が見える。左壁に雪渓が繋がっており容易に乗り移れたが、不気味に口を開く雪渓を足元に登るのは気分が良くない。その上の6m滝を登ると、再び雪渓で沢は埋まる。周りは岩が露出し、ようやく岩壁っぽい雰囲気が出てくる。雪渓の切れ目に再び20m程の滝が架かる。シュルントがあり取り付けないかと思いきや、雪渓の穴を潜り降りると壁に取り付けた。1Pロープを伸ばして左壁を登り沢に戻る。南壁の基部っぽい所に着いたが、どこを登れば良いのかはよく分からない。出だしの傾斜は強く、登るのは苦労を伴いそうだ。不安定な雪渓の下に長く留まるのは健やかではないので、下部は左岸から藪で巻き上がり様子を見ることにする。しかし藪斜面の傾斜も強く、腕がパンプしてなかなかキツい。高度を上げながら様子を見てみるとトラバースして南壁に乗れそうな傾斜になってきたのでトラバースをする。乗り上げた南壁はややボサっとしているが、ヒメサユリがたくさん咲いてなんとも愛らしく、傾斜のゆるいスラブは快適そのものだ。村杉半島ど真ん中、言葉にできない喜びを噛みしめる。猿倉山山頂を目指してスッキリしたスラブを拾いながらゆるやかに左上していく。最後に少し藪を漕ぐと猿倉山の山頂についた。南会津、越後、守門、浅草、毛猛、と好きな山に囲われた猿倉山からは、只見の街も望める。下降は高石沢を下る。大きな滝は無く歩きやすい沢である。田子倉湖に着いて再びパックラフトを漕いで小戸沢へ戻る。
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白戸川
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抱き返り
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| 赤柴沢 |
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| 雪渓で埋まる |
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| 20m滝 |
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雪渓を潜って取り付く
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| 20m 滝 |
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| 南壁基部は雪渓に阻まれる |
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| 南壁下部 |
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| 急傾斜の藪から上がる |
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| トラバースして南壁に移る |
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| 南壁中間部 |
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| 南壁上部 |
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| ヒメサユリが咲き乱れる |
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| 村杉ど真ん中 |
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大川猿倉山
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| 田子倉湖と只見の街 |
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| 猿倉山山頂 |
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夜明けの只見
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